今回の記事のタイトルから察するに、小麦粉の適切な保管温度の話だと思われた方には予め謝罪致します。適切な保管温度であるとか、或いはパン生地をこねる温度であるとか、はたまたカステラを焼く温度といった有用な話では全くありません。
16kgの小麦粉の袋は概ね30㎝×25㎝×45㎝程度の大きさで、それが2袋あるわけなので例え小分けにしても冷蔵庫に入れられる量ではなく、やむなく未開封の1袋は納戸に、開封済みの1袋は廊下に置いている。
夕方に小麦粉袋のそばを通ると、何やら少量小麦粉が廊下にこぼれている。妻が小麦粉をすくった際に落ちたのかなとも思ったが、袋のど真ん中に小さくセロテープが貼られている。貼られているといっても小麦粉まみれでほとんど粘着力が失われ、かろうじてへばりついているような状態だ。こんな雑な応急措置、否、隠蔽工作をする人物は一人しか思い当たらない…。
我が家の辛口評論家(5歳児)を任意同行し、あくまでも優しく事実関係を追及する。刑事ドラマで言うならば取り調べの鬼役ではなく仏役のベテラン刑事だ。重要参考人は当初いくらか逡巡していたが、そう時間を要さず犯行を自供した。
「私がやりました」
辛口評論家改め被疑者の年長Aは犯行を認めた。犯行の動機は、
「小麦の温度を測りたかった」
のだと言う。凶器は料理用の温度計だった。
被疑者は目下7月の誕生日に向けて任天堂スイッチとマリオカートをゲットするべく、今月いっぱいポイントを集めている最中だった。(かれこれ2か月以上休校で、特に最近ホームラーニングの集中力が維持できなくなってきており、苦肉の策で導入した制度。規定量勉強をちゃんとしたりお手伝いをしたら加点、悪さをしたら減点といった具合。)被疑者に対しては即日で5点減点の判決が下された。我が家では残念ながら三権分立も三審制も確立されていない。
とりあえずガムテープで応急措置を行い、ついでにどのくらい消費したのか計ってみた。残量は7.4kg、4月17日に配達されて以来53日間で8.6kg消費した計算。配達された当初ドライイーストがなく、イーストが届いてからだと45日間なので一日当たり約191gを消費している計算となる。残量は8.4kg+16kgで24.4kgなので、完食するまであと127日必要である。10月の半ばということですね。ロックダウン終わってるな、きっと。