キャプテン・サー・トム逝去

 キャプテン・サー・トム(Captain Sir Tom)がコロナウィルスにより亡くなった。享年100歳。

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 日本ではあまり知られていないかもしれないが、キャプテン・トムは1回目のロックダウンの最中、100歳の誕生日を目前に、歩行器の助けを借りながら自宅の裏庭を歩く姿を配信し、NHS(Nationa Healthcare Service:英国国民保健当サービス)への募金を募った。当初の目標額は1,000ポンド(約14万円)だったが、英国人はよぼよぼのおじいちゃんが必死に歩く姿に心を打たれたらしい。最終的に実に150万人以上から寄付を集め、その総額は32百万ポンド(約45億円)にも登った。昨年5月にはその功績を称え、エリザベス女王からナイトに叙されサーの称号を得、以降はキャプテン・”サー”・トムと呼ばれるようになった。

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ナイト叙任式

 キャプテン・サー・トムがこのチャレンジをした昨年4月頃は未知のウィルスに対する恐怖に世界中が包まれている最中だった。キャプテン・サー・トムの行動は多くの英国人に勇気を与えたばかりでなく、世界的に医療従事者の防護具が不足、高騰する中でNHSにとって大きな助けとなったことだろう。その彼がコロナウィルスによって命を落としてしまったことは残念でならない。心よりご冥福をお祈りします。

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