暑い。昨日に続きイングランド南東部は30℃を超え、ロンドンでは33℃を記録した。からりと晴れて絶好のピクニック日和だが、残念ながらWork from Homeで日中はずっと家で過ごさざるを得ない。Wifiがあればピクニックシートとラップトップを抱えて公園から仕事してみたいものだが…。明日からは気温は下降し、週末には再び20度前後になる予想のようだ。
さて、明日はNational Cream Tea Dayらしい。ロックダウン初期に品薄だった小麦粉を購入した、Tohmas Ridleyからの案内メールでその存在を初めて知った。6月の最終金曜日をNational Cream Tea Dayとし、英国の伝統であるCream Teaを楽しむというもの。この手のイベントに付き物のチャリティーも当然同時に催される。主催するのはジャムブランドTiptreeを擁するWilkin & Son社のとクロテッドクリームの老舗Rodda's社。
Wilkin & Son社のジャムブランドTiptreeは女王陛下から英国王室御用達(Royal Warrant)を賜与された名門ブランド。ここのジャムは合成着色料や保存料、香料を使わずに製造される。1885年創業。
Rodda's社はクロテッドクリームの製造メーカーとしては世界最大(英国以外にクロテッドクリームをに日常的に消費する国があるとは余り思えないが…)。日本でもRodda'sのクロテッドクリームは色々な場所で手に入るが、銀座三越にティールームを構えている。創業1890年。
Nationa Cream Tea Dayのウェブサイトを見ていると「Cream Tea etiquette tips」なるものを見つけた。拙訳するとこんな感じ。
- ティーバッグではなく茶葉をティーポットに入れ紅茶を淹れる方法がベストです。念のため紅茶が出過ぎてしまった時のために、もう一つポットを用意しお湯を入れておきましょう。
- もし紅茶をカップに注ぐ役目に着きたくないのであれば、ティーポットから離れた席に座りましょう。ティーポットに最も近い席に着いた人物が紅茶を注がねばなりません。
- 完璧な紅茶を目指します。少なくともお湯を茶葉に注いでから3分間は待ちましょう。紅茶の香りを最大限引き出すのに必要な時間です。
- ティースプーンはカップソーサーに置きましょう。一度でも紅茶をかき混ぜたティースプーンは必ずカップソーサーに置いて下さい。(テーブルクロスのことを考えましょう)
- 小指を立てないように!ティーカップは常に親指と人差し指で持ちましょう。よく言われる意見とは違いますが、小指を立てるのは紳士淑女の振る舞いではありません。
- スコーンを半分に割りましょう。完璧に焼き上げられたスコーンは単純にねじるだけで二つに分かれます。パンくずはソーサーの上に落とすように。
- もしジャムやクリームがテーブルの上に並んでいるのであれば、まずは思うだけジャムやクリームをすくい、お皿の上に一度移しましょう。その上でスコーンに塗りましょう。
- ジャムを先に塗りましょう。ジャムが先かクリームが先かは長年議論の分かれるところです(特にコーンウォール派(ジャムが先)とデボン派(クリームが先)の間では議論の妥協点が見出せません)。しかしエチケットの伝道師Debrett'sによると、ジャムを先に塗りその上にクリームを乗せるのが良いそうです。
- 最後に、決してホイップクリームを使ってはいけません。ホイップクリームは全くもって不適当です。
本気なのかBritish Jokeなのかよくわからないが、とりあえずこの話をしたら妻はすぐに準備に取り掛かり始めた。スコーンを焼くだけでなく、ジャムも手作りするつもりのようである。特にロックダウン生活においては「できないこと」を嘆くのではなく、「できること」を探した方が賢明だ。
Cornish clotted cream - the food of the gods
William Gladstone 1809 - 1898(Victria朝時代の英国首相)
- コロナウィルスによる英国での死者は149名増え、43,230名となった。
- コロナウィルスによる日本での死者は4名増え、967名となった。
- フランスの高級食材店フォションが経営破綻。パリの店舗が対象とみられ、日本を含め国外の店舗運営は継続される見込み。