今週末もBLMのデモが開催された。もはや週末の恒例行事となりつつある。
昼過ぎに家族でバッキンガム宮殿周辺を散歩をしていたのだが、TV局と思しきヘリコプターが機首を北西方向に向けホバリングしている。これはまたBLMのデモがHyde Parkに集合し、バッキンガム宮殿の裏手を抜け、Victoria Stationの前で進路を東にとりWestminsterを目指す、即ち我が家の目の前を通ると考え、散歩を切り上げ帰宅した。
16時45分頃。警察のバイク隊に先導されデモ隊が大通りに現れた。
以前のデモでも見かけたバンがデモ隊の先陣を切る。「Sometimes I Wish I Was White」の文字が心なしか見づらくなっている。相当出ずっぱりだったのだろう。
デモ隊の中にはRiot Gear(対暴動用装備)を装備していない二人組の警察官が同道している。他にもデモ隊の各所に少人数毎の警察官が配備されている。デモ隊の暴徒化を抑止するための配備だろう。被っているのはイングランドの巡回警官の標準装備、Custodian Helmet。このとんがり帽子には160年程度の歴史があるらしい。
16時55分頃。もうデモ隊のお尻が見える。随分と規模が小さくなったものである。もう皆飽きてきたのだろうか…。
と思ったら間もなく第2集団が現れた。後方には第3集団が見える。それでも今までのデモと比較すると随分と少人数だ。
ロンドン名物赤い電話ボックスの脇でお喋りする黒人女性たち。鮮やかな赤い服と黄色い服。こういう原色の服を着こなせるのは素直に羨ましい。
17時15分頃。これで最終集団。最後尾には警官隊を乗せたバンが続く。
最終集団が近づいてくると、随分賑やかな音楽が聞こえてきた。移動式の簡易DJブースが同道している。こうなると完全にお祭り状態。今年は夏の風物詩であるNotting Hill Carnivalの中止がコロナウィルスの影響で既に決まっており、この手のイベントに飢えているのかもしれない。
Notting Hill Carnivalは毎年8月にNotting Hillで開催されるカリブ海エリア出身者を中心としたカーニバル。渡英後間がなく、何も知らなかった我々はNotting Hillのアンティークマーケットを見に訪れて、このカーニバルに巻き込まれたのはいい思い出である。カーニバルというよりも実態は路上で行われるクラブイベントに近い。大音量で音楽を流しながら皆が踊り狂う、はなはだファミリー向けではないイベントである。しかも毎年のように暴れるものが現れ、2019年は警察官への襲撃や喧嘩などで350名以上が逮捕された。
BLM Protest in London 20 Jun 20 #4
最終集団も人数は少なく、あっという間に我が家の前を通り過ぎていった。警察車両が押し出すようにデモ隊をWestminster方面へ誘導していく。
今回は以前と比べると随分と小規模なデモで、特に暴力沙汰はなかったようだ。これまでのデモでは少なからず暴徒が現れ、今回は警察が本格的に防止措置をとっていたようだ。コロナウィルスが収まっていない中でのデモ行為は正直賛同できないが、せめて今回のように平和に行って欲しいものである。
- コロナウィルスによる英国での死者は43名増え、42,632名となった。
- コロナウィルスによる日本での死者は1名増え、953名となった。
- イングランド南部のReadingで無差別刺殺事件が発生し、3名が死亡、3名が負傷した。1名の男が逮捕され、英国政府はテロ事件として認定した。